身近な「時間と心のゆとり」アドバイザーのあつやです。自分自身が時間をうまく活用できなくて困ったり、あがり症・人見知り・引っ込み思案で悩んだりゆとりがなかった経験から、専門の心理学や時間学の知識を活かして、ブログやHP・SNSなどで解決策を共有したり、本や小冊子で伝えています。
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⑤やっている作業のスピードを落とさない・中断させない仕組み
作業のスピードを落とす「中断」には、あらかじめ対処しておくこと、つまり「打てる手は打っておく」ことが大切です。
中断の原因はおもに「人」と「モノ」が多いのですが、パターンとしては、
Ⓐ自分がやっていなかった場合。(準備不足)これは、全体が見えていない状態、あるいはゴールが見えていない状態で自分が原因で作業が中断してしまうことです。
Ⓑ相手がやっていなかった場合。(ダンドリ不足)これは相手に作業を依頼する際、納期、全体像、イメージ、予定、作業内容が伝わっていないことから起こります。
Ⓒ相手がいなかった場合。(コミュニケーション不足)これは単純に予定の確認が不足していたということです。
Ⓓトラブルで作業がすすめられない場合。(見込み不足)トラブル自体はある程度仕方ないのですが、かなりの部分は事前に手を打つことにより回避できます。予測可能なトラブルやクレームなどはあらかじめ対処しておき、エラーやトラブルの連鎖を防ぐための「フェールセーフ」という連鎖を断ち切る手を打っておきます。
Ⓔモノがない場合。これは「そのもの自体調達していない場合」は論外ですが、「あるけれど見つからない」という場合は、「探し物をしなくてすむ」ようにしておくことです。
Ⓕモノはあるけれど使えない場合。これはしっかりメンテナンスをしておくか、メンテナンス自体しなくてよいモノを使うことです。
基本的にはこの6パターンですが、それぞれある程度未然に防ぐことができます。「ゴール」と「ゴールまでの道すじ」「通過点」のイメージをしっかりと持ち、準備することやモノの確認、人の手配などをチェックリストで確認しましょう。
それでも解決できないときは、「最善の策がとれないならば次善の策」と気持ちをシフトします。そして必要な判断をし、立て直しながらすすんでいきます。決してそのまま立ち止まって中断した状態にしないようにしましょう。
④「タスク」を自働化、習慣化し、あれこれ考えなくてもすぐに取りかかれるようにする仕組み
とにかく取りかかるまでの時間を短くし、素早いスタートを切るには「考えないこと」です。私は考えなくてもよいほど簡単な仕組みを使って「タスク」をさばいています。道具もどこにでもあるものなのですぐに始められます。一度ためしてみてください。
用意するものは、
Ⓐ1日から31日までのラベルを貼った 31枚のクリアファイル。
Ⓑ4月から3月(年度単位で使う)までのラベルを貼った12枚のクリアファイル。
Ⓒ「INBOX」「31DAY」「TODAY」「WAIT」のラベルを貼った立てる4つのファイルボックス。
です。
Ⓐ先ほどの「タスク」の準備のところでお話ししたように、仕分けした「タスク」を一件一葉でクリアファイルに入れておきます。そして「INBOX」に立てておきます。
Ⓑ「タスクリスト」「手帳」で「スタートライン」「デッドライン」を確認しながら、この1か月で作業するタスクを1日から31日までのラベルを貼った31枚のクリアファイルに入れていきます。そして「31DAY」に立てておきます。そのとき、1か月以上先のタスクは、4月から3月(年度単位で使う)までのラベルを貼った12枚のクリアファイルに入れます。
Ⓒ毎日(できれば前日の帰りがけ)該当する日のラベルが貼ってあるクリアファイルからタスクファイルを取り出し、「TODAY」ボックスに入れます。できればその日に手をつける順番に左手前から並べておきます。
Ⓓ当日は朝から手前のタスクファイルから順に手に取り、作業を始めていきます。自分との約束として手帳に「タスクの時間」としてロックした時間になったらアラームやリマインダーの合図とともに作業を開始します。これで必ず取りかかれます。
Ⓔ作業が終ったら、「アウトプット(納品)」「ファイル(ストック)」「不要(廃棄)」のいずれかで処理し、手もとから消し去ります。
Ⓕ相手に渡して「返事待ち」のものは「WAIT」ボックスへ、作業が終わらずに「ペンディング」にするものは次の作業日を決め、「31DAY」ボックスの該当する日にちのタスクファイルへ入れておきます。
Ⓖこのように作業をすすめ、「TODAY」ボックスのタスクファイルがすべてなくなったら本日の作業は終わりです。
このようにすると、机上に「タスク」が残らないのですっきりします。
③頭と心の雑音を減らしてすっきりさせる仕組み
せっかく先延ばしをせず始めることができて作業状態に入っても、「やっているけど遅い」という状態におちいることがあります。気になることに頭や心が向いてしまったり、あれこれと考えているうちに集中できなくなり、ムラができ効率が下がるのです。
「頭と心の雑音」とは、簡単に言うと「気になること」のことです。
私がよく気になるのは「頭や心の中にわいてくるもやもやした考え」「いずれやらなければいけないのにまだやっていないこと」「よくわからないこと、わかりたいこと」「この先の予定」「約束の時間」などです。
「頭や心の中にわいてくるもやもやした考え」は紙に書き出して目に見えるにします。つまり「顕在化」するのです。
人間は常にいろいろなことを考えています。外からの刺激や体内の感覚などをきっかけにつぎつぎと考えがわいてくるのです。
普段はどんどん「浮かんでは消え、浮かんでは消え」と流してしまえるのですが、少しでも気になったり引っかかったりすると、頭の中でリピート、リフレインしているうちにだんだん増殖、増大し大きくなっていきます。特に不安や心配なことであるとなおさらです。よく「不安には実体がない、お化けのようなものだ」と言いますが、そのとおりで、これらのもやもやした考えにはほとんど実体がないのです。
もし大きくなって消えないもやもやがあったら、紙に書き出して間接的に実体を見てしまいましょう。顕在化することにより、「なんだ、たいしたことない」「どうでもよいことだ」と思って昇華できることが多いのです。
もしできないのであれば、「解決すべき課題」として「タスク化」してしまいましょう。
いずれにしても紙に書き出すことです。そのためには「メモ」と「ペン」をいつでも手に届くところに常備しておきましょう。ポケット、カバン、デスク、テーブル、玄関、トイレ、キッチン、洗面所、テレビ台、電話台、寝室、居間など。
次に、「いずれやらなければいけないのにまだやっていないこと」です。これはとても気になります。なぜなら先延ばししている「罪悪感」と「プレッシャー」があるからです。『どんなに言葉巧みな詐欺師でも自分に嘘はつけません。』
いつも頭にこびりついていて、時には形を変えて夢にまで出てくることもあります。決してなくなることはありませんし、消えることもないのでやっかいです。
これを解決するには「タスクリストに入れてしまって終わらせる」しかないのです。ある意味簡単なことなのですが、日常的に先延ばししてしまっていつまでも「もやもやしたままの案件」が多いのではないでしょうか。
そして「よくわからないこと、わかりたいこと」は「今すぐわからなくてもよいのだけれど・・・」ということで先延ばししがちですが、人間の根幹にある「好奇心」に基づくものなので、もやもやしたまま決して消えることがありません。「わからない」ということだけでも「もやもやしている」ところに「わかりたい」という気持ちが加わるので、先に延ばせば延ばすほど「やっぱりわかりたい」という気持ちが大きくなります。
それであれば、今すぐ調べてすっきりしてしまいましょう。
私は子どもの頃からこういう時には図書館や本屋に行って調べていました。「明日までには絶対わかっていたい」という気持ちで即行動しました。今はインターネットでも簡易的に調べることができるので、より簡単に解決できます。ですからすぐに調べて解決してしまいましょう。ただし情報が「玉石混交」ですのでくれぐれも注意しましょう。
そして別の意味で気になるのが「この先の予定」と「約束の時間」です。
この2つは「忘れてはいけない」ということで頭の片すみにいつも居すわるものです。
対処法は簡単で、手帳や時計などの「時間ツール」にまかせるということです。「いつ何があってどうする」といったことをいちいちすべて記憶していたら、頭のキャパシティがいくらあっても足りません。すべて一冊の手帳に書き込んでしまい、時計やアラーム、タイマーなどのリマインダーを使って、その時刻や時間をコントロールしましょう。そのために紙の手帳に一元化することが大切です。
いずれにしても、これら「時間ツール」にまかせて「その日、その時」まで頭や心の中をすっきりさせてしまいましょう。
あわせてデスクまわりもすっきりさせておくと効果的です。
②やることを先延ばしせず、すぐ取りかかる仕組み
やることを先延ばしせず、すぐ取りかかるために私がしているのは、「手帳のとおりに行動し始める」という仕組みです。
ほとんどの人は、手帳には「アポイント」だけを書き込んでいますが、私はこの「人との約束」である「アポイント」を赤色ボールペンで、「自分との約束」である「タスク」を青色ボールペンで書き込んでいます。このほか、職場全体の行事を黒色ボールペン、家族やプライベートの用事を緑色ボールペンで書いています。
先のタスクリストの案件をいつやるか決めて、自分との約束として手帳にタイムロックをかけてしまいます。あらかじめ予定されていることなので、時間がきたら「自働的に」始めればよいのです。会議や打ち合わせと一緒です。たったこれだけのことなのですが、うまくいきます。
そのとき「先延ばしぐせ」が出ないように注意しなければならないのは、「今すぐ動くこと」「小さく動くこと」「気持ちを楽に持つこと」です。これさえ気をつければ、手帳の予定にそってタスクをすすめることができ、あっという間に終わってしまいます。
逆に言えば、手帳にタスクを書くときに「プレッシャーにならないような小さなタスクに切りわけて、すぐできそうな形にしてから書き込むようにする」ということが肝要です。
「そんなことは誰にでもわかっている」と言われそうですが、なかなかできないのも事実です。ではなぜ「先延ばし」してしまうのでしょうか。
おもな原因は「ゴールが見えていない」「どうすればよいか道すじがわからない」「なんとなく気が乗らない」「タスクが見えてないから不安」「そのこと自体が嫌い」という5つのことです。
対処法は「途中でやめてもよいのでまず少しだけ動く」「手におえる大きさ・形にしてしまう(サラミアプローチ)」「いつやるかやる日を決めて手帳に書く」「朝、1日のはじめにやってしまう」「苦手意識を持たない(そんなものだと思う)」「下調べをする(見えないから不安、実体が見えればお化けも怖くない)」「ルーチンワークは時間割法で考えずに作業を始められる(毎日決まった時間になったら始める習慣)」というのが効果的です。
そして先延ばしせずにすぐとりかかると「早く始めればそれだけ早く進み、早く終わる」「トラブルに対応しやすい」「気持ちが楽になる」という大きな3つのメリットがあります。
「先延ばし」は時間の借金です。ものごとを先延ばししても、いずれはやらなければなりません。今できることを後回しにするのは時間を借金しているのと同じです。時間が進むにつれ、どんどんやることが増えていき、ゆとりがなくなるので、利息が雪だるま式に増えていくように精神的な負荷がどんどん増えていきます。そして結局デッドラインになってクオリティの低い仕事をアウトプットすることになります。それならできるだけ早くやってしまいましょう。
また、ものごとを後回しにしても、結局かかる時間は同じです。そしていずれはやらなければならないのです。それならば、手持ちの作業を1つでも減らして身軽になってしまいましょう。
精神的なプレッシャーからも解放され、楽に生きられます。そして「後ろめたさ」からも解放されます。
①やること(相手の数)を減らし、すっきりさせる仕組み
結論から言えば、「全体の時間は決まっているのだからやることの方を減らせばよい」のです。
つまり「やらないこと」を決めて「やること」を減らす、覚悟をもって「決めること」です。
全体的な説明としては「自分や相手とのゴールが共有できていて、作業全体のやることが見えていて、それに対するダンドリ、準備ができていれば、自然と何をやり、何をやめるか、必要十分なタスクが見えてきます。要はそれを順に淡々とこなしていけばよいのです。そうすれば、やるべきことだけが手元に残り、やらなくてよいことはやらなくなるので、時間がムダに使われることはありません。」という説明になります。
これではまわりくどいので、今述べたことを「目的地までの移動」に置き換えてみます。
Ⓐどこへ行くか、つまり目的地がわかっていること。
あたりまえだと思うかも知れませんが、作業をすすめるとき、そこをあいまいにしてはじめてしまう人が多いのです。
Ⓑ次に地図で現在地と目的地の位置関係がわかっていること。
目的地はわかっていても、今自分がいる場所からの距離や方角、地形などがわかっていないと、どんな交通手段で行くのか、どのくらい時間をかけるか、どのくらいのコストがかかるかなどがわかりません。空から地図を俯瞰するように作業全体を見渡すことが大切です。
Ⓒそして、どうやっていくのか、ということを考えます。
電車なのか、飛行機なのか、自動車なのか、かかる時間やコスト、体力などを考えつつ、どうするかを決めていきます。そのためのチケット手配や宿の予約、時刻表や料金表などもチェックが必要です。
このように、あらかじめゴールと全体像をとらえて考えておけば、自然とやること、持ち物、準備が見えてきます。そして「やるべきこと」「やらなくてよいこと」を判断することができます。そのうえで「やること」を最小限にすれば、時間をムダなく使っていくことができるようになります。
「やることを減らす」にはまずここをおさえておかなければいけません。何でもかんでもやみくもに「タスク」を減らしていったのでは、決して「ゴール」にはたどりつけません。
前提としてそれだけ理解したら実践にはいりたいと思います。
では、実際に私がやっている日常のワークの中の具体的な手順をお話しします。
Ⓐ「タスクの洗い出し」 様々な形で入ってくるタスクをすべて書き出す(一元化)。
Ⓑ「タスクの選別」 ゴールを確認し、自分のリソースと照らしながら「やること」「やらないこと」を決める。
Ⓒ「タスクリストの作成」 重要性や期日を見ながらタスクリストを作成する。
という3つの手順ですすめていきます。
少し細かく説明すると、まずは、「タスクの洗い出し」です。私たちの「ワーク」の中では常に「タスク」が流入してきます。形は大小様々ですが、書類、メール、電話、ファックス、郵便、メモ、口頭などの形で入ってきます。私はすべてA4の紙にしてしまいます。
書類はA4が多いのですが、大きさが違えばA4にコピーして大きさをそろえます。メールはプリントアウト、電話、メモ、口頭のものはA4の紙にメモ用紙をステープラーで固定します。
それを一件一葉、つまり一件ずつ別の紙を使って書き込み、タスクを洗い出します。そして中身が見えるようクリアファイルに一件ずつはさみ込んでおきます。
これで前段階の準備は終わりです。
次に、タスクを選別します。一件ずつそのタスクのゴール(目的や品質、納期、諸条件など)を確認し、「やらないこと」「他の人や部署にまかせること」「やること」を決断します。この時ついでに納期やアポイントのところにマーカーをひいたり、ポストイットで注意メモをつけたりして、二度手間を省きます。
そして最後に、タスクリストの作成です。重要性や期日を見ながらエクセルに簡単なタスクリストを作成します。エクセルで作成すると、途中につけ加えたり、並び替えができるので私はこれを使っています。
これだけでやることが大きく減ります。
特に大切なのは、『「やらないこと」を決めること』と『「他の人や部署にまかせること」を素早く決断すること』です。依頼や調査などの厚い書類でも、自分は対象外だったり、不要だったりして「やらない」と決めれば即座に目の前からなくなるものがあります。あるいは、誰かに依頼しないとできないものは、なるべく早く相手に渡して自分の手もとからタスクを消してしまうようにすると、すっきりします。
ここで大切なのは、一度手に取った書類を二度見ないことです。一度目を通して「ああ、こんな感じか」と机に置いてしまうではなく、「やること」「やらないこと」「他の人や部署にまかせること」を即断即決し、次の流れにのせてしまいましょう。二度も書類に目を通す時間が大きなロスタイムになります。
また、「5分以内に終わるタスク」「考えなくてもすぐできて終わってしまうタスク」はリスト化するまでもなく、その場で終えてしまい、永久に忘れてしまいましょう。また、相手するタスクの数が減るので精神的にも楽になります。
そのほか「慣習」「慣例」「形式的」「重複」「不要」「過剰」「目的外」のタスクはやめるようにしましょう。
こうして「やる」と決めたことだけを手もとに残します。