身近な「時間と心のゆとり」アドバイザーのあつやです。自分自身が時間をうまく活用できなくて困ったり、あがり症・人見知り・引っ込み思案で悩んだりゆとりがなかった経験から、専門の心理学や時間学の知識を活かして、ブログやHP・SNSなどで解決策を共有したり、本や小冊子で伝えています。
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時間の使い方で気をつけること
時間の経済学 7つのポイント
- 浪費・消費・投資 -
さて、時間とお金はもちろん違うものなのですが、「使い方」という面で少し似ているところがあるのです。たとえば「浪費」「消費」「投資」という概念に置き換えて考えてみるとわかりやすいでしょう。
単純ではありますが、「浪費」「消費」「投資」というこの3つのキーワードを使って時間の性質や使い方について考えてみましょう。「使い方」に着目するのは、「幸せな時間の使い方」に直結する大事な観点だからです。
先の「時間の性質」とともに、この側面がわかるようになると、時間がより身近なものになり、時間の使い方が格段に上手になるはずです。
まずは「時間の浪費」という言葉があるように、私たちは将来のために役に立たないこと(たとえばゲーム、テレビ、ネットサーフィンなど)でムダ遣いをしてしまいがちという点でお金と似ています。また目的を持って積極的に時間を使う「消費」、少し前倒しにして「貯めたり」、人の力を使って「増やしたり」してから時間を使う「投資」という概念も時間とお金の共通点としてあてはまりやすいのではないでしょうか。
一方で時間はそのままでは直接貯めておくことができないため、お金より使い方を工夫し、よりデリケートに扱う必要があります。放っておけば自動的にどんどん時間はなくなってしまいます。だからといって「どうせなくなるなら浪費した方がマシだ」などと投げやりに考えてはいけません。なぜなら時間は「命」なのですから。
ここでは「お金の使い方の概念」を少し取り入れて、これらのことについて話していきたいと思います。
さて、「時間の浪費」というと単なる「ムダ遣い」という意味だと思うかも知れませんが、ここではもう一歩進めて「目的(ゴール)を目指して進んでいるときにうまく使えていない状態」と考えてください。
この「浪費」は大きく2つのパターンに分けられます。1つは「密度が低い」パターン、もう1つは「中断する」パターンです。
密度の低い時間をなくす(ダラダラ・ノロノロ)(浪費)
私たちもよく経験することですが、作業自体やってはいるのですが集中できなかったり、気が散ったり、やる気が出なくてついダラダラと作業してしまうことがあります。
時間をかけたわりには作業がはかどらず「ダラダラと時間を過ごしてしまったなあ」ということになるパターンです。私もよくあります。
「ゆっくり・のろのろ作業している時間」「寄り道作業をしている時間」「モティベーションが低下している状態の時間」「なんとなく作業をやっている時間」は、「作業状態」としてはスキマなく継続しているのですが、ムラがあり、中身がスカスカの時間なので、実働時間としては、「密度の低い時間」となります。
これはおもに精神的な面が大きく、「イヤイヤ感」「やらされ感」「目的がない状態」「ゴールが見えていない状態」「気乗りしない状態」などの原因があります。これは作業の効率が下がり、動いているけれど力が入っていない状態の時間です。このままではスピードに乗れず、ずっとスローペースのままです。
こういうときはなるべく作業を「自分ごと」としてとらえ主体的にすすめること、そして「やること」「やらないこと」をきっぱりと決めて相手を減らすことが大事です。
またこの状態のままだと他のことに気が向いてしまったり、あれこれ考えてしまったりして注意力も散漫になり、間違いが多くなったり、考えがまとまらず思考が行ったり来たりします。結果として時間をかけたわりに成果があがらず、ゴールにたどりつけない場合もあります。
これは大きな「時間の浪費」につながります。でもなかなか自分ではそれに気づかないことが多いので気をつけましょう。
中断・空白の時間をなくす(スカスカ)(浪費)
もう1つは作業が「中断する」パターンです。
何か作業しているとき、あるいはしようとしているときに、「あれがない、これがない」と探したり、「そういえばこれをやってなかったから次にすすめない」「誰かに頼んであったことが終わってないからすすめない」「道具がこわれていて使えない」「あれを買っていなかった」など中断させられることがよくあります。
すると、せっかくペースをつかんでいた作業が止まってしまったり、先にすすめなくなったりして中断し、結果的にゴールにたどりつけないことになります。
この原因はおもに「モノ」や「人」へのダンドリやメンテナンスの悪さにあります。
いわゆる「手待ち時間」もこれにあたり、時間の浪費の1つのパターンになっています。
また、「何もやらない時間」「目的外のことをしている時間」「ものごとを先延ばししている空白の時間」「思考が停止している時間」「スキマだらけの時間」「やることがわかっていないので作業が止まってしまっている時間」「動いていない時間」「スイッチオフの時間」などのまったく動けていない時間も意外と多く、多くの時間を費やしたつもりでも、実働の時間は少なく、成果があがらないことがよくあります。これは「空白の時間」です。
この「密度の低い時間」と「中断・空白の時間」の2つのパターンは日常生活ではよくおこることで、しばしば両方同時におこることもあります。どちらも「見かけの時間」としては作業しているのですが、「正味の時間」はあまり多くなく、結局成果につながらないことになります。これもやはり自分で気づいていないことが多く、ついくり返してしまう行動パターンの1つです。
効率良く、上手に使う(ムダなく100%すべて使い切る)(消費)
浪費とは異なり、「目的を持って積極的に時間を使う」のが消費です。そして同じ使うなら時間を「ムダなく全部使う」「100%すべて使い切る」「残らず最後まで使う」ということが大切です。言い換えれば「時間の純度をあげる」とも言えます。なるべく効率よく、上手に時間を使います。
これはおもに「時間の効率」に着目した使い方のポイントです。
待ち時間やタイムロスなどをなくすように、モレ・ダブりなくダンドリをし、なるべく時間のスキマをつくらないように使うのがコツです。つまり「スーツケースのパッキング」や「バケツに砂や石をつめる作業」に似ています。パズルのようにつめ込んでいきムダなく使いましょう。
また、「足ぶみ・アイドリングをしない」「最後までスピードを落とさない」「ムダな作業をやめる」など、設定した時間内すべてをその目的のために100%使い切るということが大切です。
前向きに、楽しく使う(楽しく、アクティブに、エンジョイする)(消費)
また一方で、同じ時間を使うなら「楽しく」「アクティブに」「前向きに」「エンジョイする」ことにより、高い効果、満足感を得るということが大切です。
たとえば、休日は家族のため、家族に喜んでもらうために積極的に使う。あるいは、非日常の体験、経験、心に残る体験、一生ものの経験、お金で買えない付加価値のために楽しく使うなどおもに「気持ちの充実」に着目したポイントです。
そして、せっかくならあれもこれもとつめ込みすぎないで、一点豪華主義で過ごすと印象にも残り、想い出深いものになります。とにかくその時間を「楽しむ」「エンジョイする」ということが大切です。
一生懸命に貯めた時間を楽しいことのために使いましょう。お金と同じように楽しく使うことが大切です。
この「時間の効率」と「気持ちの充実」という要素の両方があってこその「素敵な時間の消費」となるのです。
時間を貯めて使う(今の時間を未来で使う)(投資・貯金)
「時間を貯める」ということはどういうことでしょうか。お金と違って銀行に行って入金し、通帳に貯めておくことはできません。ではどういう意味でしょうか。
一番目は「前倒しで忙しさをならす」ということです。空いている時間がある時に「先のタスク」をやってしまい、後の作業を減らすということです。こうすれば時間自体は増えませんが後が楽になるわけです。
言い換えれば、前倒し(先行投資)で利益確定させるようなものです。そのタスクが必要な時に「もうやってある」ということになっているのです。つまりこの時「貯めた時間を使う」ことになるのです。今使っていない時間を未来のために使って貯めておくワザとも言えます。特に忙しい時期の作業のピークカットにとても有効です。
二番目に「ずらしのワザ」です。たとえば25日にATMに並ばないということです。同じ時間を使うなら、人とずらしてすいている時間にタスクを終えてしまうようにしましょう。朝の通勤時間、お昼のランチ、ゴールデンウィークや夏休みの観光地などもこの方法で負担が軽くなり、大きな時間の貯金になります。(安いときに買っておく)
三番目は「過去の経験の利用・再利用」です。自分が過去に作った書類やフォーマットを再利用したり、過去の経験をうまく使ってタスクをショートカット、あるいは省エネをすることにより、時間を節約します。つまり自分の過去のリソースを使うことにより、時間をショートカットすることになります。(リユース・リサイクル)
このように同じ時間を使うにしても、比較的時間のある時に先行投資して、後で時間を口座から引き出すようにするとよいと思います。
時間を増やす(2倍、3倍にして使う)(投資・貯金)
時間を増やすとはどういうことでしょうか。これには3つの術があります。
一つ目は「分身の術」です。わかりやすく言えば、時間を二重に使う、1つのものごとを動かしつつ別のことをする、ということです。
決して「時短」ではありません。どうせかかる時間を同時に何かに使うというやり方です。「○○している間に」「○○しながら」という形で、「普通なら2回かかってしまう時間を1回にまとめる」「どうしてもかかってしまう時間を動かしながら別の作業を進める」わけです。利益の二重取り、人生を2倍生きるともいえるでしょう。たとえば、「お湯をわかしながら、身支度をする」などがこれにあたります。「コピーしながら」「歩きながら」「電車に乗りながら」「誰かを待ちながら」「並びながら」「乾かしながら」などもあります。
さらに上級技として、「ブーメラン、お手玉、ジャグリング、キャッチボールの術」という技があります。相手にタスクを投げておいて受け取るまで別のことをするということです。自分はひとり、手は2本と決まっていますが、うまく空中に投げておいてキャッチする腕前が上がれば、いくらでも相手(タスク)を増やすことができます。
二つ目は、「一筆書きの術」です。「ついでの力」を使って1回でものごとを済ます方法です。これは、動線を考えてダンドリをするという単純なことなのですが、出張や外出など出かけた時に一度拠点や職場に戻らず、帰るまでにいくつかのタスクを済ませてくるワザで、家の中の動線や買い物などにも有効なワザです。2回出かける分を節約し、1回分の労力・時間で成果を出します。上級ワザで、「最初に勉強する時間で実際のテスト対策まで一度にしてしまう」などというものもあります。
三つ目は、「夜討ち朝駆け」です。夜と朝の時間を有効に使うことによって、人の2倍、3倍の効果をあげることができます。自分自身がその時間に何かをするというのではなく、「投げられるボールはあらかじめ前の日に投げておく」「受け取り・確認作業は朝一番でやってしまう」ようにすると、自分の手からはなれていても自分が動いたのと同じ効果があり、結果的に相手より2日分有利にものごとが展開できます。「夜のうちに何かを依頼しておいて、朝までに結果を受け取る」「朝一番に連絡が取れるように夜のうちにメールをしておく」など簡単なことなのですが、自分時間が格段に増えます。先にひとテマかけておいて後の時間を増やすというわけです。
こうして時間を増やすことができるのです。
人の時間を買う(時短、サービス、ノウハウ)(投資)
最後に、人の時間を買うことにより自分の時間を増やすという考え方があります。これには3つのパターンがあります。
一つ目は「時間自体を買う」、つまり「時短」です。交通手段はより早い方を選ぶなどがこれにあたり、移動時間を短くし、結果的に自分の時間を増やしていくという方法です(物理的時間の増加)。
もっともわかりやすく、自分の時間を売ったお金でより長い時間を買うというスタイルです。自分の時間を売って得たお金をより大きな時間を得られるように使うという意味で「投資」といえます。
二つ目は、「サービスや製品を買う」ということです。つまり人から「テマヒマやコスト」を買うのです。
自分でそのことを成し遂げるよりも、「お金を払うことによって直接サービスや製品を買ってしまう」のです。商品、食事、サービスなどを買い、自分は大きな満足、喜び、楽しみ、充実感、安全、安心、上質、効果、成果などを得ること、またさらに「お金で買えるもの」は買って、その先にある「お金で買えないもの」のために自分の時間を使うというのがこれにあたります。(精神的な充実の増加のための専門家サービス)
三つ目は、「ノウハウを買う」ということです。本、セミナー、教育、習い事など誰かの知識や知恵、技術などのノウハウや人生などをお金を払って短時間でエッセンスを得ることができます。話を聴いたり、教わったりすることにより、間接的に買うことができる、そういう意味で投資といえます。
いずれにしても時間を「どう使うか」ということが大切で、「時間を使わないこと(節約・倹約)」や「単に貯蓄をすること」自体が美徳ではないのです。お金と同じで、時間の使い方にはその人の品格や人格、生き方があらわれるのです。
時間術だけではなぜうまくいかないのか
誰もが失敗している時間術
- なぜ時間術だけでは失敗するのか…3つの理由 -
これからあなたに3つの質問をします。
「ああ、時間がない、もっと時間があったらなぁ」「もっと時間を上手に使えたらいろいろなことがうまくいくのになぁ」と思ったことはありませんか。
そして、「じゃあ、時間術やタイムマネジメント、ライフハックの本や雑誌、ブログを読んでみよう」と読みあさったことはありませんか。
それで結局「やってみたけど全然うまくいかない、自分には向いてないのかも知れない」とあきらめてしまったことはありませんか。
きっと一度や二度経験があるのではないでしょうか。
そんなあなたにお伝えしたいことをこの本に書きました。私も以前は時間の使い方について同じようにあれこれ悩み、試行錯誤をくり返していました。「能率」「効率」「時短」・・・、本や雑誌、インターネット情報などを読みあさり、手当たり次第やってみました。でも、なかなか効果があがりませんでした。
そしてある時ふと思い浮かんだ疑問がありました。それは、「自分は何のために時間を使いたいんだろう」という単純な疑問です。単純なのですがなかなかその答えが見つかりませんでした。考えるたびに「○○のため」「○○したいから」「○○になりたいから」・・・といろいろ出てくるのですが、「じゃあ、それは何のため」とくり返し自問自答をしていくと、結局「???」となってしまいました。
そのうち、落ち着いてじっくり自分の心に素直に向き合いながら考えていくと、
①好きなこと、やりたいことをする時間を持ちたい
②家族(大切な人)との時間を持ちたい
③ゆったりとした気持ちになる、ゆとりの時間を持ちたい
という3つの想いにたどり着いたのです。
そしてその時「ああ、結局自分はこういうことがしたいんだ」「こういうふうに過ごしたいんだ」ということに気づくと同時に、自分の「ゴール」や「想い」を強く意識するようになりました。
そして、それまで小手先のワザやテクニックだけに頼って「能率」「効率」「時短」などとあれこれやっていた自分が少し滑稽に思えてきました。
あなたはどうでしょうか。少しの時間、自分の心の中に深く問いかけてみてください。私と共通点はありませんか。共感していただけることはありませんか。もし何か思いあたったらこのまま読みすすめてみてください。きっといろいろな「気づき」や「ヒント」が見つかると思います。
「本当の自分は何をしたいと想っているのか・・・」
「はっきりとしたゴール」や「強い想い」を持っていないから
なぜ時間術だけでは失敗するのでしょうか。
それは「時間があったら何がしたいか」そして「何のためにしたいのか」が明確でないからです。
つまり、「はっきりとしたゴール」や「強い想い」が見えていないから流されてしまうのです。そして小手先の「ワザ」や「テクニック」だけに頼るから成果があがらないのです。
まず「はっきりとしたゴール」を決めないとどこに向かってよいかわかりません。
あたりまえすぎて「ゴールを決めないで動き出すわけない」と思うかも知れませんが、普段私たちはよくこのようなことをしてしまいます。あなたにも経験がありませんか。もっとも多いのが「語学」「勉強」「トレーニング」です。「まわりがやっているから」「何かよさそうな気がする」「やった方がよいかな」といった「なんとなく」の気持ちで始めてしまうと三日坊主で終わってしまいます。「何がしたいのか」しっかり「自分ごと」としてゴールを決めましょう。
また「何のためにしたいか」という「強い想い」が重要です。
たとえば、同じ「旅行に行く」という行動でも、その時々で「想い」が違うことがあります。先ほどの「私の本当の3つの気持ち」をあてはめてみると、いずれも「旅行に行く」という行動につながるのですが、「何のため」ということを考えるとその「想い」が違う場合があるということに気づくと思います。
自分の「好きなこと、やりたいことをする時間を持ちたい」のか、「家族(大切な人)との時間を持ちたい」のか、「ゆったりとした気持ちになる、ゆとりの時間を持ちたい」のかにより、計画やダンドリが変わってくるのです。このうち今回の旅行はどういう「想い」で行くのか、それを強く持ちましょう。
「〇〇術」は単なるワザ
そして、「時間術」というのは、単にその間をつないでいく手段、方法、技術なのです。いろいろなワザ、テクニック、方法論、ツールがありますが、結論としてはどれを選んでもよく、その中から自分に合ったものを選べばよいのです。
ただ「ワザ」や「テクニック」に頼るだけでは失敗します。つまり単に「時間を節約する」「時間をつくる」「時間を上手に使う」だけでは「ゴール」も「想い」もないので、その時間を使って「何がしたいか」「何のためにするのか」をきちんと考えることが大切です。
また時間術それ自体が目的化しないように気をつけなければいけません。そして時間術を使ったことだけで満足してはいけません。
私たちは、「時間をうまく使うために生きている」のではありません。
いくら本やマニュアルを読んで時間をうまく使うことを覚えても、そのこと自体を目的やゴールにしているのでは本末転倒です。自分の本当のゴールをしっかり見きわめましょう。
もう一度言います。「楽しくよりよく生きる」ために「時間を使う」のであって、「時間をうまく使うため」に「生きている」のではないのです。
じつは、時間術以外の他のライフハックスの分野でも同じようなことが言えるのです。
いくつか例をあげてみると、
「モノと道具の使い方術」では、モノや道具は単に持っているだけでは意味がなく、それを使って何かを成し遂げるために道具を使うのです。
「片付け・整理術」では、単に片付けたり捨てたり整理するだけでは意味がなく、モノを使いやすく、そして生活しやすくするためにします。
「人づきあい術・人脈術」では、ただやみくもに名刺をたくさん集めるだけ、ブログやSNSで知り合いを増やすだけでは意味がなく、それを人生に活かし、お互いを豊かにすることが大切です。
「読書術」では、単に本をたくさん読むだけではなく、読んだ本をどう自分の人生に活かしていくかが大切です。
「勉強術」では、ただ勉強して何かを覚えるだけではなく、どう次の知恵につなげていくかが大切です。
このように、「ゴール」や「想い」がなく、ただワザやテクニックに頼ると、時間術は失敗に終わります。
やることが多すぎて小手先のワザでは歯が立たない
時間術がうまくいかないもう1つの原因は「やることが多い」ことです。
今のあなたは「とにかくやることが多い」のです。
「毎日バタバタしていて、時間術を使って「睡眠を減らしても」「スキマ時間を有効活用しても」「デジタルツールを活用しても」「手帳を色分けしても」なかなか楽にならない、仕事が忙しいから家に帰ったらもうヘトヘトで家のことをやっているヒマがない、散らかし放題でましてや自分の時間なんて持てない、という状態におちいっていませんか。
それなら一番大きな「仕事」を減らしましょう。
「そんなことできるわけない」「納期もあるし、責任もあるし、相手もあることだから」と思いますよね。
でも本当にそうなのでしょうか。本当に1つ残らず全部やらなければいけないのでしょうか。
まずそこを疑ってみてください。中にはやらなくてよいこともあるのではないでしょうか。
確かに今の状況であれば、とにかく相手するタスクが多すぎて、どんなにすごい時間術のワザや便利なツールを使ってとしても「焼け石に水」、むしろ慣れないワザやツールに「余計なテマヒマ」がかかるのではないでしょうか。これではうまくいきません。
「千手観音を相手に百人組手をする」ようなものです。小手先のワザでは防戦一方でうまくいきません。ですから、まず「タスク」自体を減らすことを考えましょう。
行動が習慣化されていないので長続きせず、成果につながらない
そして時間術にとってもっとも手強いのが「習慣化」するまでの道のりです。心理学や行動学では、人は3週間(約20日間)同じ行動をくり返すと習慣化されると言われていますが、なかなかそれが難しく、習慣化するまでに失敗することが多いのです。
ほとんどの人が「三日坊主」だったり、1週間か10日ぐらいで挫折してしまいます。私もそうですが、新しい習慣はなかなか定着しません。
これはあたりまえのことで、人間の心理的特徴や行動パターンはみんなほぼ同じですから、普通に始めたら習慣として身に着かないものなのです。だから成果につながらないのです。
いつも真正面から「語学」「勉強」「トレーニング」などに取り組み始めて、すぐ挫折するのは誰でも経験があります。あなただけ特別ではないのです。
これに対抗するには「続けるための仕組みづくり」です。仕組みを使って習慣化するのが最も近道です。
仕組みは、「自働化」「パターン化」「ツール」の組み合わせで、あれこれ考えなくてもすぐ動けるワザです。簡単でわかりやすいものから始め、いずれ自分の「ライフスタイル」になるまで定着させれば大成功です。とにかく楽に続けられるようにしていきましょう。
また、「途中で時間泥棒のようなジャマが入る」「自分の中でモティベーションが上がらないから続かない」という話もよく聞きますが、行動の習慣化をジャマする時間泥棒退治や先延ばしぐせ退治なども仕組みの力を使って乗り切りましょう。
結論として、時間を使って豊かで幸せな自分時間を過ごすためには、
①自分に問いかけて「ゴール」や「想い」をしっかり持つこと。
②「やること」「やらないこと」を決め、とにかく「やること」を減らすこと。
③仕組みを使って行動を習慣化すること。
ですので、まずそこから始めましょう。そのための前段階の準備として、
①時間の性質をとらえること。
②時間の使い方を考えること。
③(人間の心理学的、行動学的特性をふまえて)具体的な仕組みをつくって行動する
ということ。
が近道だと思います。
時間の見方・とらえ方を見直す
「時間」といっても科学や哲学などで扱う「学術的な時間」の話ではなく、「自分の時間」という身近な時間を考えていきます。
科学や哲学などの時間研究は、日本時間学会という学会があるぐらい盛んに研究されていて、物理学、脳科学、生理学、医学、心理学、生物学、社会学、文学、哲学などあらゆる分野で研究がなされています。私も会員になっています。
時間とは、人間の頭の中で創り出された創造物であるかも知れませんが、ここでは私たちにとってのもっと身近な時間について考えていきたいと思います。
普段私たちが時間をとらえる時、「現在・過去・未来」「昨日・今日・明日」「年・月・日」「時・分・秒」といったくくりや単位があり、あたりまえのように認識していますが、本当にこの宇宙に「普遍的な時間」というものが存在するかどうかすらも、その真実・真相は人間にはまだわかっていません。
でも、「自分にとっての時間」は自分自身が生きている間だけ確かに存在し、必ず与え続けられます。これは「事実」です。
その「限りある時間」、「いつ終わってしまうかわからない大切な時間」というものをどう活かしていくかが人生の大きなポイントとなるのです。
ですから、ここでは、難しいことではなく、「人生における大切な時間」について考えていきましょう。
時間は命
私はいつもみなさんに「時間は命と同じである」と伝えています。
それは「生きている間しか自分の時間はないから」です。
「みんなの時間」(物理的な時間、宇宙の時間、普遍的な時間)はずっと存在しています(?)が、「自分にとっての時間」「自分が自由に使える時間」はこの世に生まれた瞬間から、あの世に旅立つ瞬間までの間しかないのです。
しかも、「ものごころ」がついて、自我が目覚めた時から、心身ともに元気でいられる間しか「実質的な自分の時間」はないのです。その間でも「眠っている時間」や「仕事している時間」など自由に使えないが多くあり、私たちは「時間・命を売ってお金を稼いでいる」ことになります。そのとき「あなたの1時間はいくらか」考えたことはありますか?
ですから、「時間は命」なのです。今の1時間も死ぬ前の1時間も同じです。死ぬ前の貴重な1時間をあなたはいくらで売り渡しますか?
ですから時間を大切にしましょう。
時間の使い方は生き方をあらわす
命と同じ大切な時間を何にどれだけ時間を費やすか、それはその人の生き方をあらわしています。私は「ワーク・ライフ・パーソナルバランス」という切り口で考えるようにしています。くわしくは、「7章 人生のトリセツ」で取り上げていますので、人生のトリセツを読んでみてください。
時間の不思議な性質
具体的な時間の使い方の話に入る前に、まず時間の不思議な性質について考えてみましょう。
誰もが「あたりまえ」と思っていることですが、時間のことをよくよく考えてみるととても不思議でミステリアスなのです。
時間というものについては、これまで人類があれこれ考え、悩んだり、苦しんだりしてきました。そして、「喜び」や「悲しみ」を生み出し、多くの物語や劇、映画、歌、詩などの芸術にもなっているくらい身近なものなのです。
とても身近なものなのに、なかなか自由にならないのが「時間」です。これからあなたは自分や家族の幸せのためにこの不思議な時間と向き合っていかなければなりません。
では何が不思議なのか、一つ一つその性質について考えていきましょう。
時間は誰にでも平等…「いつでも」「どこでも」「誰にでも」物理的な時間は一緒
忙しい人がいたり、暇な人がいたり、「時間はみんなに平等じゃない」と思うかも知れませんが、単純に物理的な時間ととらえると、1日、24時間、1440分、86400秒は誰にでも平等に与えられているものであり、どこにいても、どんな状況でも平等に与えられています。
仕事中でも休日でも、旅行中でも、(あるいは冒険中、洞窟に閉じ込められていても、大空を飛んでいても、草原を自由に駆け巡っていても、)病気でも、元気でも、大人でも、子どもでも平等です。
つまり「持ち時間」は一緒なのです。その日がくれば、そして生きてさえいれば「1440分」が自動的に与えられます。
たとえば1日1440円の給料やお小遣いをもらってどう使うかを考えるようなものです。その中から税金分として、睡眠、食事、身支度、風呂、トイレなどの生活時間、仕事、家事、育児、通勤などのワーク時間が差し引かれ、それを除いた時間から家族との時間や個人の時間を捻出していくことになります。
1日のうち使える「可処分所得」は人により、状況により違うので、それを工夫するために使うのが時間術なのです。いかに使える時間を増やしていくか、そしてその時間を有効に使うかが大切になってきます。
ただし、困ったことにこの1440分の時間は翌日に繰り越しがきかないという性質を持っています。積極的に使わなくても「自動引き落とし」のように刻一刻と差し引かれていくのです。
ですから、「1日の持ち時間は1440分である」と強く意識してください。
また感覚として、1日を「24時間」と考えると10分がたいしたことないように感じますが、「1440分」と考えると同じ10分でも貴重な時間に感じられ、自然と大切に使うようになるので、今まで「1日は24時間」と意識していたと思いますが「1440分」と考えるようにしましょう。
自分の時間の感覚や目盛りを少し動かしていくと、時間の流れに敏感になり、より時間に注意が向くことによって、もっと時間が大切に思えてくるのです。
たとえば朝6時に起きる人は、6時間分、つまり360分、さらに言い換えれば1440円のうち360円分をすでに差し引かれているということになります。たいへんなことですよね。
休みの日の朝、あなたは何時に起きていますか。朝寝坊をしていませんか。時々起きたらもうお昼なんてことはありませんか。
時間はだれにでも平等に与えられますが、繰り越すことはできません。
時間の流れは元に戻らない…流れてしまった時間は戻らない
これも今私たちの生きている世界ではあたりまえのことですが、時間を使っていく上では強く意識しておくべき大切な性質です。
映画や物語の世界によくある「タイムマシンで戻って…」などというSF的なことではなく、「やり直せない」「元には戻らない」という意味でとらえてください。
言い換えれば時間は「ワンチャンス」という意識を持っていただければと思います。
ゲームではリセットボタンを押したり、セーブしたところからやり直ししたりできますが、現実の世界ではそうはいきません。タイムマシンやゲームのリセットボタンのことを考えるより、その時その時を真剣勝負していくことをおすすめします。
そして「やり直せばいいや」「また今度でいいや」と思っていると、結局取り組み方が甘くなり、よい結果に結びつかないのです。それよりも限られた時間をしっかりと意識してとらえ、自力で精一杯ゴールに向かいましょう。
「タイムマシンで戻った先の『過去』は自分にとっては『今』なのである。」というパラドックスがありますが本当に元に戻ってやり直すことはできません。
「今」を大切に生きましょう。過去は変えることができませんが、今動けば未来が変わります。
人生の残り時間は減る一方…決して増えることはない
誰もがそうですが、少なくとも「生まれてから今まで生きてきた分」だけ寿命が短くなっています。
言い換えれば「使った分だけ持ち時間が減っている」ことになります。
全部でどのくらい自分の持ち時間があるかは自分ではわかりませんが、確実に減り続けているのです。
たとえその日に何もしなくても全員が平等に減り続けるのですから、積極的に使った方が、そして同じ使うなら「楽しく」「有効に」使った方がよいわけです。
先ほどお話ししたように、少なくとも1日1440分の持ち時間は次の日には持ち越せないので、今日使うしかないのです。
それなのに今日何もしなくてよいのでしょうか。時間は物理的には増やすこともできませんし、未来にとっておくこともできないのです。
全体の長さはわかりませんが「命のろうそく」はどんどん燃えて短くなっていく一方です。
だからといって、「自分の『命のろうそく』はあとどれくらい残っているのだろう」と毎日「うれいても」どうにもなりません。
また、自分の「命のろうそく」の長さ、つまり残りの寿命がわかってしまったら、そのことばかり気になってしまうでしょう。「どうせあと少しだから」とやる気がなくなってしまう人もいるでしょう。
だからむしろ、わからない方が幸せなのかもしれません。
いずれにしても、確実に減り続けていることには違いないのですから、「今、そしてこれから」をどう生きるか、どう時間を使うかに着目した方がよいのではないでしょうか。決して増えることはありません。
自分の時間はいつ終わるかわからない…だから真剣勝負
「自分の時間はいつ終わるのかわからない。」これもあたりまえのことです。もう少し細かく言えば、「自分が使える時間は生きている間だけ毎日平等に与えられている。そして生きていれば毎日支給される。でも、それがいつ終わってしまうのかは誰にもわからない。」ということです。ある日突然予告もなしに急に終わってしまうのです。
自分の時間が終わる瞬間、あるいは終わる直前に「やっぱりあれもしたかった、これもしたかった」「あれをやり残した」「やっておけばよかった」などと考えても悔やみきれません。走馬灯のようにあれこれ想いが巡るでしょう。ですから日々真剣に生きなければいけないのです。
じつは、私は生まれた時に、ほとんど仮死状態に近い状態でした。命が助かった時、家族や親類からは「儲けものの命」「二度授かった命」などと言われました。
私自身「この幸運にも与えられた大切な命」を真剣に生きたい、また大切に生きざるを得ないと考えています。
そして、せっかく拾った命なら、自分のためだけに使うのではなく、まわりの人も幸せになっていただきたいと思ってこの本を書いています。
仮に事故や病気で不自由していても、現在の生活が苦しくても、今使える時間があまりなくても「いつ終わるのかわからない命」を大切に使ってほしいと思います。
なぜなら、今私たちは生きていて毎日必ず1440分の時間が与えられる権利をもっているのですから。
時間は伸び縮みする…心・身体・環境で時間の感じ方が変わる
アインシュタインやホーキング博士の理論の話をしているのではありません。
みなさんもよく経験することだと思いますが、自分の気持ちや置かれている状況によって、時間の感覚が伸び縮みし、「もうこんな時間」と感じたり、「まだこれだけしか経っていないのか」と感じたりすることがあります。これには諸説あり、様々な分野の研究者たちがいろいろな見解を出しています。
たとえば、「時間への注目の仕方により、時間の流れの感じ方が変化する」「大人と子供の時間の感じ方は異なる」「病気のときは時間の流れがゆっくりしているように感じる」「命の危険にさらされているときはスローモーションのように感じる」「動物は身体の大きさにより呼吸や心拍の数が異なり、それにより時間の感じ方やまわりの動きの見え方、寿命が異なる」といったような研究がなされており、学会でも様々な角度から活発に議論されています。
経験的にもわかると思いますが、時間は自分が置かれた状況で「ものさし」自体が伸び縮みするので感じ方が変わるのです。忙しい時とゆとりがある時、朝と夜、平日と休日など、その状況により「ものさし」が変わったように感じ方が変化します。つまり主観的には時間は伸び縮みするものなのです。
そのことを理解していれば、それを逆手にとって気持ちや環境・状況を調整し、ゆとりある時間を過ごすことが可能となります。そして、準備、ダンドリ、手順などをうまくおこなうことにより、ある程度自分自身の時間の流れを自在にコントロールすることができるのです。
このようにあたりまえのような「時間の性質」をあらためて確認してみると、何か自分自身の中に少し見えてきたものがありませんか。そして、「時間を大切にしたい」という気持ちになってきませんか。
では、最後に私の読書ライフのエッセンスを紹介しますので、読み方、心がまえ、活かし方など何か参考になるものがあれば、試してみてください。
これも勉強術と同じように、自分用に書き溜めた言葉なので、若干過激な表現、行き過ぎた表現があるかもしれませんがご容赦ください。
①本は一期一会、気になったら手に入れる。
本との出会いは一期一会である。気に入った本はその場で読むか手に入れる。その時に手に入れないともう一生出会うことがないかも知れない。「あとで」はない。
②本は「読みたいところから」読む。
本はまず「読みたいところから」読む。読みたくないところ、興味のないところは最初に読まなくてもいい。いちばん関心のあるところを最初に読む。
③本は「読みたいところだけ」読む。
本は「読みたいところだけ」読む。読みたくないところは読まなくていい。一番関心のあるところを確実に吸収することが大切である。
④今読まない本は、後でも読まないので手放す。
今読まない本は、そもそも興味・関心がないので、後でも読まないことが多いので、その段階で手放す。
⑤自分の頭や心の本棚は半分空けておく。
本棚は次の興味・関心領域の本が入りやすいように、常に半分空けておく。
⑥本はアウトプットのために読む。
本はアウトプットのために読む。インプットしているだけでは決して熟成しない。
⑦関心のある分野の本をまとめて10冊読む。
関心のある分野の本をまとめて10冊読むと、ある程度の知識が一度に身につく。それらの本の共通部分は普遍的な知識となる。
⑧本の内容は、その時吸収できなければ「あきらめる」。
本の内容は、その時吸収できなければ、また次に必要なことは必要になった時に覚えることとし、「縁がなかったもの」としていったん「あきらめる」。
⑨週に何度か本屋や図書館に立ち寄る日を決める。
週に何度か本屋や図書館に立ち寄る日を決める。すると、自分の興味・関心にあらためて気がつき、頭の中が整理される。可能であれば、本を読んで、同時にインプットしてしまうとよい。
⑩本のためのお小遣いを準備する。
本との出会いは一期一会なので、いつでも買えるよう、本のためのお小遣いを準備する。そこで手に入れられなかったことによる損失は大きい。
⑪本のエッセンスはメモしておく。
本のエッセンスはアウトプットするときのために必ずメモしておく。自分の中で熟成され、アウトプットの時に役立つ。
⑫本から学んだことはすぐに実践してみる。
本から学んだことはとりあえず、すぐに実践してみる。実践してみて有用なものは続けてみる。
⑬本は「折ったり」「書き込んだり」「ちぎったり」していい。
本は自分の身につけるために「折ったり」「書き込んだり」「ちぎったり」していい。そのために手に入れておくことが大切である。
⑭本をいつも持ち歩く。
自分の関心のある分野の本をいつも持ち歩くとなんとなくその分野が気になり、頭の片隅で考えるようになる。そのこと自体が熟成の過程となる。
⑮本の目次は必ずチェックする。
まず目次を俯瞰して、どのようなことが書いてあるか、どのような構造になっているかを確認してから読み始める。すると頭の中で課題が整理される。
⑯本から「ライフスタイル」を学ぶ。
本は書いた人の「生き方」「ライフスタイル」を学ぶのに最適である。良いと思ったこと、良いことはどんどん真似してみよう。
⑰本は原則「手放す」。
本は持っていると「いつでも読める」と思ってしまう。自分のものにするには原則「手放す」ようにする。「背水の陣」効果がある。
⑱人から勧められた本はとりあえず読む。
出会いと一緒で、人から勧められた本はとりあえず読む。読むと進めてくれた人の人生観、価値観などがわかってくる。途中で合わないと思ったときは、すぐにやめればいい。
⑲本は自分で買う。
本は身銭を切って自分で買う。決して人のお金で買わないこと。そうしないと真剣勝負でなくなってしまうのでなかなか身につかない。そしてその本がどのくらいの価値があったかもシビアにみることができる。
⑳入門書は薄い方がいい。
入門書は概要を把握するために使うので、なるべく薄い方がいい。薄いものでまず全体像を把握してしまおう。それから必要に応じて次のステップの本を手に入れればいい。
㉑「自分のバイブル」となる本を探す。
読んだ本の中で、「自分のバイブル」となる本を探す。そしてそれは手元に残して何度も読みかえす。
㉒本の情報は1%使えればよい。
「本の情報は1%使えればよい。」と考える。すべてが役に立つ本などはない。むしろ、そんなに役立つ情報があったのかと喜んだ方がいい。
㉓家の本棚で「立ち読み」してみる。
家の本棚で「立ち読み」してみるとあらためて自分の興味・関心の方向性がわかる。また、思わぬ発見をすることがある。そういう本が見つかったら、あらためて読み直してみるといい。
㉔無駄な定期購読は中止する。
定期購読は自動的に送られてしまうので、一冊ずつ内容を吟味していない。無駄な定期購読は中止する。つき合いや惰性で多くの本を読むのはあまり得策ではない。
㉕業界紙に目を通す。
自分の関係する業界紙に目を通し、トレンドをおさえておく。特に実用読書においては、「基本的なこと」「トレンド」をおさえておくことによりアウトプットの質が格段にあがる。
㉖今日手に入れた本は、今日のうちに一気に読む。
今日手に入れた本は、最もモチベーションが高い今日のうちに一気に読む。すると吸収率も最高に高い状況で読むことができる。多少の時間超過も良しとする。
㉗本のカバーははずして読む。
本を一気に集中して読むために、本のカバーははずして読む。滑ったり、引っかかったり、落としたりしないようにカバーをはずし、挟まっているはがき、しおり、帯や付録もはずしておくこと。
㉘「本を買うこと」は「人生のノウハウを買う」ことである。
「本を買うこと」は「人生のノウハウを買う」ことである。そこに書いてある著者の人生で得た知識、経験、失敗などのノウハウを一瞬にして追体験できるタイムマシンのようなものである。
㉙本は「折りながら」読む。
本は後から検索しやすいように、関心のあるところ、役に立ちそうなところを「折りながら」読む。すると重要なことがらを逃さず、スピーディに読み返すことができる。
㉚自分なりの読書メモをつくって人生の糧にする。
本を読んだら、自分なりの読書メモをつくって人生の糧にする。あとで読み返すと、自分に「ありがとう」という気持ちになる時が必ず来る。
本はインプット、再構築、そしてアウトプット
次は、読書をするときの3つのフェーズ(段階)について考えます。
第一段階は「インプット」。
まず、本を読んで自分の中にその内容を取り込んでいく段階です。
大切なことは、本を読む目的や目指すゴールを意識し、それに合った読み方をすることです。「考える読書」なのに斜め読みしたり、「答えを出す読書」なのに余計なところをじっくり読んだりするのは適切な読み方ではありません。
必要十分なエッセンスをきっちりと自分の中に取り込みましょう。
第二段階は「再構築」。
読んだ内容、取り込んだエッセンスを自分の中で熟成させ、再構築する段階です。
大切なことは、すべてのことを100%そのまま忠実に複写するのではなく、必要なことを厳選し、使いやすいように再構築することです。自分の中できっちりと咀嚼して自分の棚に格納し、「来たるべき時」に備えて、いつでも取り出しやすいように準備しておきます。
最後の段階は「アウトプット」。
読んだ内容は、何かに活かすことが重要で、「自分のため(未来を拓く)」、「人のため(貢献)」など、外に向けて何らかの形で発信するフェーズが最も大切です。
本を読んだら、最終的には何らかの形でアウトプットし、形に残しましょう。